勝巳食堂は国道38線から僅かに奥まっています。
地元の方々には失礼な話だが、道産子のオレも赤平市は知っていても茂尻が付くと「?」であり、
事前にしっかり、ネットのMAPで位置確認しセローを走らせたのでした。
小一時間後、この辺りだろうと減速しキョロキョロすると、
情報通りに微かに懐かしい石炭が燃える匂いが鼻腔を刺激してきました(笑)。
11時30分。
駐車場もない食堂前には平日だというのにハイヤーを含めて車が3台。
人気の少ない町の、こんな目立たない場所ですから、この状況にはついつい期待上乗せとなります。
その佇まいには似合わない、新調したのだろう新しい暖簾をくぐり、引き戸を開け店内へ。
広くはない店の中には2人掛けくらいの小さなカウンターと大小のテーブルが四つ。
そのテーブル席の一つに腰を下ろし品書きを見上げると、
先ほどより、はっきりと感じる石炭が燃える匂いに「あー、これだ」と改めて懐かしさを覚えます。
何味にしようかと、一応壁の品書きを端から順に眺めますと、
品書きの値段の位置に貼られたガムテープに、これは低予算の値上げ対応策実行だなとニヤリ。
大して迷うことなく大盛りラーメン(醤油)650円也を注文し厨房に目をやると、
石炭の火を受けた大きな釜の湯がグラグラと静かに煮え立っていたのでした。
未だ釜の火は石炭だと拘っている勝巳食堂。
果たして一家言ある、そのラーメンの味はどうなんだろうと一口・・・うーん好きです、この味(笑)!
ガキの頃、列車から降りて腹が減っただろうと両親と駅前で食べた、そんなラーメンの味なのです。
すっごく懐かしい昔味のラーメンなのであります(笑)。
その昔、オレと同世代のガキ共は群れてやんちゃに遊び回り、
気の荒いおっちゃん達と陽気なおばちゃん達で賑わっていた、
景気の良かっただろう赤平市茂尻を自分勝手に思い浮べながら、
オレは懐かしい味のラーメンを食べていたのです・・・。

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