無料バイパスを終点の智恵文で降り
函岳へ向かう美深の林道入り口を目指します
「もしかして、また通行止めか?」と
案内板に目をやるが
珍しい事にそこには「開通」の二文字
最近何故か、とんと林道には縁がなく
疑り深い訳なのだ・・・(笑)
軽快にダートを走り
どんどんと山道を登って行きます
後続車や対向車は一台も姿を見せません
まるで借り切ったようなダート道を
自由気ままにセローで走り続けます
やがて、迫るコーナー路面の一部が
明らかに大きく盛り上がっているのに気付きます
当然、それを避けるために
体重移動でラインを変更するオレなのだが
・・・あれっ?
もしやこれって、クマのウンコ!?
一服後、走り出そうとセローに跨ると
「山火事に・・・」とスピーカーから大音響を放ちつつ
ジープ型広報車が迫って来る
こんな車にトロトロ前を走られたら興醒めだなと
ダートを勢いよく駆け出すが
それなりに飛ばすセローとオレに
付かず離れず、ぴったりと広報車は付いて来る
気を抜いてペースを落としたりすると
すぐ真後ろまで迫ってくる始末
「もしかして、からかっているのか?」と
ミラー越しに敵意・悪意を確かめようとするが
ダートを走りながらだから表情なんぞ分からない
♪ある日〜森の中、クマさんに出会った♪
いえいえ、会いたくありませんから・・・
どうせ、へなちょこライダーですから
瞬時にオレは引き返す気になりましたー(笑)
「カムバックー!さっきの広報車ー!」と
心の中で叫びつつ
オレは仮面ライダーの如くアクセルターンを決め
さっさと山を下ったのであります
次回はクマ(田邊)をお供にリトライしようか?
(クマに戦わせておいてオレは逃げるつもりだが)
それとも、かおりんかよっしーを誘おうか
(きっとオレよりは美味そうに見えるだろうから)
思案しつつ逃げ帰ったオレなのであります(笑)
何より腹立たしいのが
走る事に真剣なものだから
せっかくのダート道を楽しむ余裕など
これぽっちもありゃしないのだ
「まてよ、もしかしてオレに用事でもあるのか?」と
ふと怪訝に思いセローを左に寄せて停めてみると
やはりその広報車はセローの横に並んで停まった
そして助手席越しにジイさんがニコニコと
オレへと話し掛けて来たのである
「何処まで行くの?道は途中で行き止まるよ」
「じゃあ、そこで引き返すかな(笑)」
「そうかい」とジイさんは納得したように走り出す
これを親切だと受け取るか、お節介だと感じるか
「さて、それじゃあデッドエンドまで楽しむか」と
誰にともなく呟いて、薄笑いのオレは再び走り出した